任意整理の分割回数

過払い金があれば、そのお金を住宅ローンの滞納に充てることもできますが、過払い金が見込めない場合はどうすればよいのでしょうか。

過払い金がないとなると、まずは住宅ローン以外の返済を軽くすることができないかを検討します。

なぜなら、住宅ローン以外の返済額が少なくなれば、今までどおり住宅ローンを支払うことができるようになるケースがあるからです。

もし、住宅ローンの返済だけで、すでに返済が苦しいという場合は、すでに支払不能状態に陥っているといえるので、任意売却等で住宅を手放すか、自己破産を選択した方がよい場合もあります。

これに対して、住宅ローンの返済に加えて、さらに住宅ローン以外の返済もある程度まではできるという場合の借金整理法の一つが任意整理です。

任意整理というのは、裁判所を通さずに司法書士などの専門家が各債権者と分割で返済する内容で和解する手続きです。

では、任意整理には具体的にどういったメリットがあるのでしょうか。

最大のメリットは、和解後の返済では利息が免除されて、残っている借金を長期の分割返済にすることができる点です

もちろん、残額がわずかであれば一括払いで和解をしても良いのですが、そういったことがない限りは基本的に分割払いとなります。

では、任意整理では一般的にどのくらいの分割回数まで認められるのでしょうか。

これは、一概には言えませんが、多くの債権者が設定している上限は60回です。

つまり、5年ということになりますが、借金の額が100万円を超えるような場合では、72回から84回くらいまで回数を増やすことを認めてくれる債権者もいます。

ただ、5年にわたり返済をするというのは本来望ましくないので、できれば36回(3年)程度で和解できた方がよいでしょう。

毎月の返済可能額のからみで、3年ではなく5年にしておいた方がよいという場合もありますので、任意整理の分割回数は36~60回が基本となります。

以下は任意整理の実例のご紹介です。

「月10万円なら返せます」

任意整理の相談者からの回答です。

相談者が月に10万円返せると言ったからといって、それを鵜呑みにすることはできません。

本当に毎月10万円を返すだけの収入があるのか、ないのであれば毎月の返済可能額がいくらであるかを見極める必要があります。

私 「お給料は毎月手取りでおいくらほどでしょうか?」

相談者 「手取りで30万円くらいです」

私 「家族構成は?」

相談者 「私と妻と子供が3人います」

私 「お子様はおいくつでしょうか?」

相談者 「中学生が1人と小学生が1人と2才の子供がいます」

私 「家賃は?」

相談者 「8万5000円です」

と、色々と事情を聞いていくのですが、どう考えても毎月10万円は返せそうにないので、

私 「○○さんの場合、子供もまだまだこれからお金がかかりますし、3万円くらいが限度ではないでしょうか」

   「任意整理をしますと今後、3~5年は返済が続きますので、あまりギリギリの金額で和解してもおそらく行き詰まってしまうと思いますよ。ですからある程度余裕をもった金額でないと任意整理はおススメできません」

相談者 「そうですか・・・」

私 「今回は任意整理だけではなく、個人再生もしくは自己破産を検討してみる必要がありますね」

相談に来た時は返済に追われていますので、冷静に自分の返済可能額を算出することができないというのは珍しくはりません。

そのような場合は、こちらが客観的に返済可能額を算出し、相談者に伝える必要があります。

任意整理も普段の生活と同じである程度のゆとりが大切です。

以下は、任意整理で負債が残った債権者と分割和解をする際の実例のご紹介です。

債権者によって対応はまちまちですが、こちら側が提案した分割和解案を丸呑みしてくれるのが一番助かります。

反面、債務者の収入状況や家族構成、負債状況を細かく聞いてくる債権者はこちらとしては厄介です。

このような色々と聞いてくる債権者の場合、すべて本当のことを答えるわけではありません。

最終的にはこちらが提案した条件で和解をすることが目的ですから、多少の嘘はつきます。

債権者 「Aさんの件ですが、和解案ありがとうございます」

私 「いえいえ。その案でどうですか?」

債権者 「60回払いで和解案を頂いていますけど、債権者数と負債総額を教えて頂けますか?」

私 「5社で180万円くらいです」 ←これはホント

債権者 「毎月の返済原資はおいくらほどで?」

私 「3万円です」 ←これはウソ(本当は5万円)

債権者 「毎月の手取り収入は?」

私 「18万円くらいです」

債権者 「分割回数ですが、もう少し何とかなりませんか?」

私 「ちょっと無理ですね~。これでギリギリなのでなんとか和解案どおりでお願いします」

債権者 「わかりました。じゃあ、今回はこれで和解させて頂きます」

このくらいならまだいい方で、中にはもっと細かく聞いてくる債権者もいます。

ところで、任意整理では将来利息はカットして和解しますので、分割回数が短くても長くても総支払額は同じです。

無理に回数を短くして和解をすると、何か急な出費があった時に行き詰ってしまう可能性があります。

そうならないためにはある程度余裕をもった返済額にする必要があるので、多少の嘘をついてでも和解する必要があるのです。

これも依頼者のためなので嘘も方便ということでしょうか。

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