住宅ローン特則の条件と注意点

個人再生の利用要件として、定期的な収入があることを述べましたが、それに加えて住宅ローンを除いた借金は5000万円以下という要件もあります。

当初は3000万円以下だったのですが、平成16年の改正により5000万円まで引き上げられました。

なお、この5000万円には住宅ローンは含まれませんし、別除権の行使によって弁済ができると見込まれるものも除外されています。

また、罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金または過料も除外されています。

さらに、住宅ローン特則を使う場合は、住宅に住宅ローン以外の担保物権が付いていないことも要件となります。

ここでいう住宅というのは、個人である再生債務者が所有し、自己の居住の用に供する建物のことで、その床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら自己の居住の用に供されるものに限られています。

よって、自分が住むの予定のない投資用として購入したマンション等は該当しないことになります。

また、最近流行っている二世帯住宅の場合、各世帯の居住部分が物理的に分離し、生活が別々におこなわれているようなタイプの二世帯住宅の場合、再生債務者の居住部分が全体の床面積の2分の1以上でなければいけません。

さらに、再生債務者が2つ以上の居住用不動産を所有している場合は、主として居住用に使っている建物のみが対象になり、もう一方は対象外となります。

ところで、再生債務者が現在は単身赴任中のために、現状ではその住宅に住んでいたり、転勤に伴い当該住宅を一時的に賃貸して、家族も別のところに住んでいるような場合でも、

将来的にはその住宅に戻って居住用として使用する予定があるのであれば、住宅ローン特則に該当するとされています。

住宅ローンがある場合、個人再生を利用すると住宅ローンは今まで通り支払い続け、その他の借金を大幅に圧縮(500万円以下なら原則100万円)することができます。

通常は住宅ローンの残債務よりもマイホームの価値の方が低いことがほとんどだと思いますが、そうでない場合は要注意です。

例えば、Aさんが3000万円のマイホームを購入したとして、頭金を2000万円用意し、残りの1000万円を住宅ローンにしたとします。

しかし、数年後、Aさんにはマイホーム以外に約500万円の借金ができてしまいました。

そこで、Aさんはマイホームを保有したままそれ以外の借金を整理できる個人再生をしようと思いました。

ところで、この場合、仮にマイホームの査定が1300万円で、その時点の住宅ローンの残債務が800万円とすると500万円の財産を保有していることになります。

個人再生では「清算価値保証原則」というルールがあるのですが、これは最低でも自分の保有財産以上は返済しなければいけないという決まりのことをいいます。

よって、Aさんの例だと個人再生を利用しても、最低でも500万円は返済する義務があることになります。

これでは、住宅ローン以外の借金の額と変わりませんので個人再生をするメリットはないといえます。

なお、Aさんの場合であればマイホームを売却すれば500万円の剰余金が発生しますので、そのお金でその他の借金である500万円を完済することになります。

このように個人再生で住宅ローン特則を利用する場合は、住宅ローンの残債務とマイホームの額がいくらなのかが非常に重要になりますので、住宅ローン特則の利用を検討されている方はご注意ください。

いずれにしましても、個人再生手続は手続が非常に面倒です。

自己破産ならば個人でも十分申立て出来ますが、個人再生は法的知識もかなり要求されますし、裁判所へ申立てた後でも複数回、各種書面を作成し、定められた期限までに裁判所へ提出しなければなりません。

よって、個人再生は、司法書士や弁護士に依頼した方が良いと思います。

当事務所も千葉県近郊にお住まいの方であれば、ご依頼をお受けすることが可能ですので、お気軽にご相談ください。

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