三菱UFJニコスに対する過払い金請求

ニコスとの過払い金交渉は、今まで提訴しないでも元金+5%の満額で和解できていたのですが、どうやら方針が変わったようです。

私 「○○さんの過払いの件ですが、端数カットの115万円であれば和解しますが?」

ニコス 「申し訳ございません。先生の請求額の9割である103万5000円でお願いできないでしょうか?」

私 「それは無理です。今までは満額の端数カットで和解に応じてもらえていましたが、方針が変わったのでしょうか?」

ニコス 「はい、最近方針が変わりまして・・・申し訳ございません」

私 「そうすると訴訟せざるを得ませんがそれでもよろしいですか?」

ニコス 「弊社としては任意の段階では9割までしか応じられないので、あとは先生にお任せ致します」

私 「わかりました」

大手信販会社であるニコスまでもが過払い金の9割などと主張し始めました。

これからはニコス相手の訴訟が増えることでしょう。

訴訟となればニコスにとっても結局は金銭的にマイナスとなるのにその辺を分かっていないのでしょうか。

それとも9割で和解に応じる事務所の方が多いのでしょうか(そんなことはないと思いますが・・・)。

信販系は比較的すんなりと満額返還に応じてくれる会社が多かったのですが、これでは先が思いやられます。

以下は事例別の紹介です。

ケース①

三菱UFJニコスに取引履歴の開示請求をすると、あらかじめ引き直し計算された履歴が出てきます。

そのため、過払いかどうかは、履歴をみれば基本的に一目でわかります。

ただ、さすがに利息は付けていないので、あくまでも元金表示です。

ニコスの場合、利息込の金額を回収するには基本的に裁判をする必要があります。

稀に利息込みの請求であっても、金額がそれほど大きくない場合は、裁判前に全額返してくれる場合もあります。

そこで、今回の金額は利息込で約30万円だったので、ダメもとで裁判前の交渉をしてみることに。

すると意外な回答が・・・

ニコス 「3万円が限度です」

私 「元金でも6万円はありますよ」

ニコス 「すいません、今回は3万円で検討してください」

利息を付ければ、30万円を超えるのに、その1割の3万円とはビックリしました。

元金をも下回る金額です。

これ以上話しても埒が明きそうにないので、セオリーどおり裁判をするしかなさそうです。

回答をもらうのに1ヶ月くらい待たされたのに時間の無駄でした。

これからは、金額が少なくてもすぐに裁判をした方がよさそうですね。

ケース②

対三菱UFJニコスの過払い事件。

今回の事案は、翌月一括払いとリボ払いが混在しているものの、そのほとんどが一括払い。

ニコスのような信販会社の最近の主張に、翌月一括払いである場合には一連計算はできず、対応する貸付けと返済ごとを、それぞれ個別計算すべきというものがあります。

この主張が通る可能性は極めて低いですが、下級審判決の中にはこの主張を認めているものもあるようです。

そんなわけで、今回はこの点を争ってくるかと思いきや、元金を4ヶ月後返金で和解したいとの打診がありました。

請求金額自体がそれほど高くなかったせいもあるでしょうが、このケースでは翌月一括払いでも一連か個別かを争う気はないようです。

その点は評価できるとしても、4ヶ月後の返金では遅すぎますし、ましてや元金だけですからこの条件を呑むわけにはいきません。

ニコスが請求金額に近い和解案を提示してくるときは、本気で争う気がないことがほとんどなので、その点を見越して、請求どおり返金日までの利息を付けた金額でないと和解しないと回答しました。

加えて、返金が4ヶ月後では遅いので、その点も交渉材料にしたところ、結局は2ヶ月ということで和解成立。

返金日が早まることで、その分の利息が数千円減ってはしまいますが、そうはいっても早く回収できるに越したことはありません。

過払い金額が100万円前後であれば、翌月一括払いの点を本気で争ってきたかもしれませんが、今回は金額が低かったのが幸いしたのかしれませんね。

ケース③

ニコスの過払いの対応は、かなりバラつきがあります。

まず、ニコスの場合、取引履歴が平成7年前後以降の分しか残っていません。

こういった途中の開示の場合、履歴に書いてある当初の約定残高を無視して計算する0円スタート計算という方法があります。

この0円スタートで計算した過払い金で提訴すると、まず間違いなく弁護士をつけてきます。

反面、取引履歴がすべて開示され、取引の途中で大きな空白期間がない場合は、弁護士をつけてこないこともあります。

弁護士が付かない場合だと、1回目の裁判期日前に返金日までの過払い利息込みの金額で和解となります。

返金までの期間は手続開始から4ヶ月~半年くらいでしょうか。

しかし、弁護士が付くと半年以上かかることはざらです。

この辺のニコスの対応は、同じ信販大手のオリコと似ています。

ケース④

基本的にクレジットカードによるキャッシングでは、契約はカード作成時の1回で、あとは3~5年での自動継続です。

そのため、取引の途中でいくら空白期間があっても、契約自体は1つなので一連計算できるとの考えが主流です。

ただし、現実の裁判では、空白期間が1年以上空いているようなケースで、取引が分断されるという判決が少数ではありますが、ちらほら出ているもの事実です。

そこで、今回のケースのご紹介ですが、相手は三菱UFJニコス。

この事案では途中に5年弱の空白期間があります。

ただし、一連計算しても金額がそれほど大きくなく、分断計算との金額差も数万円に過ぎませんでした。

そのため、当初は分断を前提にした金額を主張してきていましたが、結局はこちらの主張通りの金額で和解が成立することに。

とはいえ、もし、これが数十万円の請求額であれば、徹底的に争ってきた可能性があります。

ところで、最近では大手サラ金業者も、契約が同一であっても数年の空白期間があると、取引の分断を主張してくるようになっています。

今のところ、同様の事案で分断が認められることは少数とはいえ、今後はますます分断の主張が増えてきそうな雰囲気です。

ケース⑤

ニコスは原則的にすべて裁判をしたうえで過払い金を回収しています。

しかし、今回は、最後の返済で過払いになり、完済した直後にご依頼をお受けしたケース。

そして、過払い金額も十数万円。

こういったケースでは、過払い利息を加算しても、ニコスが債権届出書に記載してある過払い金元金とほぼ同じ金額になります。

そうなると、訴訟費用をかけてまで提訴するメリットがありません。

そこで、提訴前にニコスと交渉してみることに。

すると、ニコスが提示している過払い金元金の端数カットで和解できました。

返金も約2ヶ月少々先なので悪くありません。

今回は、提訴せずに和解となりましたが、こういったケースはレアなのであまり参考にならないかもしれません。

ケース⑥

過払い訴訟をしている事案で相手はニコス。

キャッシングの支払方法が、すべて翌月1回払いの事案だったので、案の定、相手の弁護士は1回ごとに別取引になると主張して、和解の交渉にものってきません。

数回、期日を重ねたのですが、その回はたまたま弁護士が急用で欠席になり、私だけが出席。

私も裁判が長引いていたので、裁判官に

「被告は1回払いを主張し続けて和解になりませんので、次回で終結にしてもらえませんか?」

とお願いしました。

すると、裁判官も

「そうですね、主張もほぼ尽きたと思うので、次回で結審予定にします」

と言ってくれました。

そして、最終弁論期日が近づいたある日、弁護士から連絡が。

「そちらのご希望どおり返金日までの利息というのは難しいですが、提訴日までの利息込なら和解OKです」

と一転して和解に応じる姿勢に転換。

裁判所が、弁護士にも次回で終結予定と伝えておくということだったので、そのせいでしょう。

私的には、ここまで来たので判決でもよかったのですが、控訴される可能性も0ではありません。

また、ご依頼人も早期の解決を望んでいたので、それで和解することになりました。

ニコスの中では結構時間がかかってしまったケースですが、最近はニコスだけではなく、オリコも1回払いの場合は裁判が長期化する傾向にあります。

ケース⑦

完済後の過払い請求の件でAさん来所。

Aさん 「今も負債は残っているはいるんですが、そっちは問題なく払っていけます」

私 「そうるすと完済したイオンとニコスの2社に対する過払い請求ということですね?」

Aさん 「よろしくお願い致します」

私 「ニコスは取引履歴の開示に2~3ヶ月かかると思いますので、入金までは早くても3~4ヵ月はかかると思いますのでご了承下さい」

Aさん 「全然構いません」

私 「ありがとうございます」

Aさん 「ところで、私・・・両親も亡くなりまして、兄弟もいないのでお金を頼る人もいなくて借りてしまったんですよ」

私 「そうなんですか」

Aさん 「一人だとなかなか相談する人もいなくて、今回もこちらに相談しようかどうか迷ったんですよ」

私 「相談するのも勇気がいりますよね」

Aさん 「でも、最近はラジオでも過払い金がどうのこうのって言ってますし、私もそれに該当するのか知りたくて」

私 「Aさんは高金利で借り入れをされてましたからおそらく過払い金は回収できると思います」

Aさん 「本当に今日は話を聞いて下さってありがとうございました」

私 「いえ、とんでもないです」

Aさんは独り身ということなので、回りに相談する方もいなくて当事務所のようなところに相談するのも躊躇していたようです。

こういった気持は本当によくわかります。

私も自分が日々、こういった仕事をしているから過払いは当たり前になっているものの、一般の方には信じがたいことなのかもしれません。

特に周りに相談する方がいなければなおさらでしょう。

Aさんのような方も気軽に相談できるように、なるべく敷居の低い事務所でいるように気をつけたいと思います。

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