特定調停後の過払い金請求、受任通知の効力と債権調査

ケース①
Aさんから任意整理の依頼。

よくよく話をしてみると、以前に特定調停をしていることが判明しました。

私 「現在の借り入れ以外に昔、高金利で借入れをした後に完済をしたところはありますか?」

Aさん 「そういえば、平成13年に武富士と特定調停をしました」

私 「それで、その特定調停の結果はどうでしたか?」

Aさん 「借金がなくなりました」

私 「武富士とはいつ頃から借入れを始めましたか?」

Aさん 「たしか、平成元年頃だったと思います」

私 「当時の調停調書は今もお持ちですか?あれば一度、見せて頂きたいのですが」

Aさん 「あると思います。すぐに調べて連絡します」

後日、届いた調停調書を見てみると・・・

「相手方(武富士)は申立人(Aさん)に対し、本件契約に基づく借受金債務が存在しないこと認める」

と書いてありました。

これは、すなわち「Aさんの武富士に対する負債は一切ない」という意味ですが、「武富士に対して過払い金がない」ということではありません。

Aさんの話では平成元年頃から借入れをしていたということなので、平成13年まで10年以上借入れをしていたことなります。

このような長期間の借入れをしている場合は、まず間違いなく過払い金が発生しています。

そこで、武富士から取引履歴を取り寄せたところ、約100万円の過払い金が発生していました。

早速、提訴した上で平成13年から現在までの利息を加えた139万円で和解できました。

特定調停ではたとえ過払い金が発生していても、裁判所が過払い金の回収までしてくれるわけではありません。

よって、「相手方は申立人に対し、本件契約に基づく借受金債務が存在しないこと認める」という決定が出た場合には、間違いなく過払い金が発生していますので、ご自分で過払い金の回収ができそうにない場合は司法書士などに相談されることをお勧めします。

ケース②

「以前、特定調停をして借金がなくなったんで、そのままにしていたんですが、今からでも過払い請求できますか?」

Aさんからの電話相談。

私 「借りていたのはどういった会社ですか?」

Aさん 「いわゆる大手の消費者金融です」

私 「であれば、 今からでも回収できると思いますよ」

Aさん 「2年くらい前に完済したんですよ」

私 「そうですか。過払い請求の消滅時効は取引が終了してから10年ですから、2年であれば大丈夫です」

Aさん 「詳しく話を聞きたいので一度、そちらにお伺いしたいのですが?」

私 「わかりました」

特定調停で借金がなくなったからといって、それで終わりにしてしまっている人は意外と多いです。

確かにそれまでの借金生活から解放されたのであるから気持ちはよくわかります。

しかし、債務なしの決定が出たということは、すなわち過払い金が発生しているということに他なりません。

裁判所は過払い金の回収まではしてくれませんので、債務なしの決定が出ただけでは終わりではありません。

今度は今までに払いすぎた分を取り返す番です。

つまり、調停で借金がなくなった場合は、過払い金を回収してようやくすべてが完了したといえます。

次は「自分でも借金がいくらあるのかわからないのですが・・・それでも手続きできますか?」という相談です。

借入先の件数が増えてくると、自分にいったいどのくらいの借金があるのか分からなくなってきます。

そういった事情から、負債総額が分からないと専門家への相談もできないのではないかと誤解されている方もいらっしゃいます。

しかし、実際にはそんなことはありません。

もし、正式に手続きをするとなれば、専門家が債権調査をします。

具体的には債権者に受任通知を送って、今までの取引履歴を取り寄せ、それを利息制限法で引直計算します。

こうすることで、負債総額を調査することができますので、仮に負債総額が分からなくても問題ありません。

ただ、少なくてもどこから借りているかは把握しておく必要があります。

いずれにしても、負債総額が分からなくても債務整理は問題なくできますのでご安心下さい。

なお、任意整理や自己破産などの債務整理手続きを司法書士などの専門家に依頼するメリットの一つに、債権者からの請求が止まることが挙げられます。

確かに、自己破産の申立書類作成も自分でできなくなくはないですが、裁判所に申し立てが受理されるまでは、債権者からの請求が止まりません。

そのような状況では、落ち着いて書類を集めたりすることもできないと思います。

その点、司法書士に依頼をすれば、すぐに各債権者に受任通知を送ってくれます。

その通知には、次のとおり2つの効力があります。

1. 請求を止める

2. 取引履歴の開示請求

通知が債権者に届けば、それ以降は直接、本人に請求をすることができなくなります。

ただ、請求を無期限止めることはできませんので、自己破産であれば手続開始後3ヵ月程度で書類を作成し、裁判所へ申し立てをするのが理想的です。

しかし、現実的にはご本人にある程度の書類を集めて頂けないと申立書を作れません。

中には、受任から数カ月経っても書類を集めて頂けない場合もあります。

そうなりますと、債権者も待ってはくれません。

本人に直接請求をすることはありませんが、その代わり裁判所に訴えてくることがあります。

裁判を起こされますと、最終的には給与や銀行口座の差し押さえを受ける可能性があります。

確かに、司法書士に依頼をすれば、その後は債権者からの請求が止まりますので、そこで一安心してしまう方も中にはいます。

任意整理であれば、債権者との交渉はすべて司法書士がおこなうので、ご本人に特にして頂くことはありません。

しかし、自己破産や個人再生では、ご本人に書類を集めて頂くことになりますので、それが滞ると手続自体が先に進みません。

よって、自己破産や個人再生の場合は、請求が止まって一安心することなく、少なくてもこちらからお願いした書類を用意するまでは頑張ってもらう必要があるわけです。

なお、自己破産に回数制限はありませんので、前回の自己破産から7年が経過していれば、再度の自己破産が可能です。

ただ、申立てることはできますが、裁判所が免責を出してくれるかどうかは別問題です。

当事務所でも、これまでに2度目の自己破産の依頼を何回か受けてきていますが、今のところ全部免責です。

前回の破産から7年が経過していないのであれば、再度の自己破産はできませんので、そういった場合は、まずは任意整理で各債権者と個別に和解して分割返済できないかを検討します。

任意整理は裁判所を通さずに、司法書士が各債権者と個別に交渉して和解契約を締結する手続きなので、前回の自己破産から何年以内とかは全く関係ありません。

任意整理が困難である場合には個人再生を検討します。

ただし、個人再生には2種類あって、債権者の半数以上が反対するとダメなタイプ(小規模個人再生)と一定の金額以上を返済するかわりに債権者の反対に関わらず、再生が認められるタイプ(給与所得者等再生)があり、給与所得者等再生の方は、自己破産から7年以内であると利用できません。

これに対して、小規模個人再生の方は、たとえ7年以内であっても、債権者に反対するかどうかの機会が与えられているので、自己破産から7年以内に小規模個人再生をすることも可能です。

一度、自己破産をしていると、その負い目からか再度の借金整理に二の足を踏みがちですが、まずはお近くの司法書士などに相談してみることが大切です。

ところで、「過払い請求をするとブラックリストに載りますか?」

これは本当によく聞かれます。

まずは、負債が残っている段階で任意整理の手続きをし、利息制限法による引直計算の結果、負債がすべてなくなり、逆に過払い金が発生していた場合です。

この場合、債権者からすれば約定どおりの支払いをしなかったということで信用情報機関に事故情報として載せることになります。

次に、すでに完済をした後に過払い請求をした場合ですが、これは返済が遅れたわけではないのでブラックになることはありません。

ただし、ブラックになる(信用情報機関に事故情報として載せる)かどうかは債権者次第なので、画一的な処理はされていないようです。

ちなみに、今のところ当事務所では、完済後の過払い請求をしたためにブラックになってしまったという報告を依頼者から受けたことはありません。

そもそも、利息制限法を超える金利は認められないのですから、たとえ負債が残っている段階で任意整理を開始しても、その後の引直計算の結果、負債がすべてなくなり逆に過払いになっているのであればブラックになるのはおかしいと思います。

しかしながら、現時点では完済後の過払い請求でない限りは原則的にブラックになってしまいます。

よって、どうしてもブラックにだけはなりたくないという方で、現状のまま支払いを続けられるだけの収入があるのであれば、完済をしてから過払い請求をされるのがよいと思います。

最後は仕事以外の話です。

2012年に世界が終わると信じる人たちが、フランス南部にある人口わずか200人の小さな村を安全な「聖地」とあがめ、終末から逃れるために続々と詰めかけているそうです。

私も、映画で「2012」は観ました、SF系大好きなので。

でも、本気で信じている人がいてちょっとビックリです。

サッカーW杯の日本代表の23選手が発表されました。

私自身、サッカーのことはあまり詳しくないのですが、いわゆるサプライズはなかったようです。

岡田監督はベスト4を目標に掲げていますが、現実的にはグループリーグ突破も危ないようです。

サッカーは野球のWBCと違って、優勝を義務付けられているわけではないので、のびのび頑張って欲しいものです。

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