任意売却のデメリット
競売と比較すれば、売主と債権者の双方に大きいメリットがある任意売却ですが、当然デメリットもあります。
最大のデメリットは、担保を有する債権者(これを「担保権者」といいます)の同意がなければ売却できないことです。
つまり、任意売却するには、全担保権者の同意が必ず必要なのです。
そして、売却条件や配分に不満ある担保権者が同意しないのは当然かもしれませんが、売却条件や配分に問題なくても、債権者の社内方針として任意売却を認めない担保権者も存在しているようです。
つまり、会社の方針(支店の方針も含む)として、もともと認めていないのです。
これは有効な取り決めなので、所有者側から異議を申し立てることはできません。
例えば、旧住宅都市基盤整備公団(現UR)などがそうです。
ただし、100%認めないわけではないので、認めてもらうためにも、任意売却は、法律専門家とも提携している任意売却専門業者に依頼した方が可能性は開けるのではないかと思われます。
次のデメリットとしては、債務者である自宅の所有者が売主として売却手続きに関与しなければいけないので、その分の手間暇がかかるという点です。
ただし、売買契約の締結に要する時間は、任意売却によって得られる種々のメリットと比較すれば、大した問題ではないと思われます。
なお、買主を探したりするのは、すべて仲介業者が代わりにおこなってくれるので、基本的なスタンスとしては、売主は買い手が付くのを待っていればOKです。
仲介業者への報酬も成功報酬であるのが普通で、売却が成功したときしか、報酬を支払う必要はありませんし、報酬も売却代金の中からの支払いなので、実質上の手出しはありません。
中には、着手金名目で最初にお金を要求してくるような悪質な仲介業者もいるようなので、そこだけは十分に注意が必要です。
こういった仲介業者は、本当に任意売却が必要ではないケースであっても、強引に売却を勧めてくることもありますので、まずはお近くの司法書士等に相談した方が安全だと思われます。